子どものいない夫婦の不動産の名義変更登記と、所在不明の相続人への対応|解決事例

状況
お客様は、配偶者(妻)が亡くなったことに伴い、妻と共有であった自宅を自身の名義に変更しようと考え、自身で法務局に手続きに行きました。簡単に手続きできると考えていましたが、子どものいない夫婦であっため妻の兄弟姉妹が相続人になること、その全員と遺産分割協議を行う必要があるということを知らされました。妻の兄弟姉妹は2名居りましたが、1名は既に亡くなっており、甥姪が今どこで何をしているかも知らず、途方に暮れてしまいました。
• 遺産は、不動産(自宅)の共有持分と預貯金が若干。
• 相続人は、配偶者(夫)であるお客様と、妻の姉・そして妻の弟の子ども(妻からは甥姪にあたる)が2名。
• 自身が住んでいる自宅には、そのまま住み続けたい。
司法書士の提案&お手伝い
まずは、相続人が誰であり、どこにいるかを確認すること。そのうえで、手紙等で取り急ぎ連絡を取ってみる必要がある旨をご説明しました。遺産分割協議書の作成や登記申請だけではなく、その前段となる相続人の特定のための戸籍等の取得や、関係性に応じた手紙の文案の作成についてのサポートも、あわせてご提案しました。
1. 相続人特定のための戸籍等の収集
o まず、所在の分からない甥姪の住所などを確認するために、妻とその両親の戸籍を遡って調査し、相続人の特定作業を行いました。また、戸籍の附票を取得して現在の住所も確認しました。
2. 相続人への意向確認の連絡
o 相続人全員に対して、お手紙と、当職が中立型調整役として遺産分割協議にかかわることの是非、および今回の相続に関してのどういった主張をするかを確認するための回答書を送付しました。
3. 遺産分割協議書の作成・捺印、および相続登記申請
o 回答として、妻の姉や甥姪は、自身の権利を放棄するという意向だったため、すぐに遺産分割協議書を作成し、郵送などの方法を用いて捺印をいただき、法務局に登記申請をしました。
結果
相続登記は無事に完了し、不動産の名義はお客様に変更されました。これにより、お客様は安心してご自宅に住み続けることができるようになり、今後の不動産管理や売却を自由に行えるようになりました。
司法書士のポイント
この事例では、結果として他の相続人たちが相続分を放棄する意思表示をしてくれたことで、幸いにもお客様が代償的な金銭を出捐することなく、不動産の名義を変えることができました。但し、今回のお手続きの際に、一番気を付けてご説明しご理解をいただいたことは、他の相続人が権利を主張した場合には、ご自宅を売却して支払いに充てるか、相続分に相当する金額を自身の預金などから出さなくてはならない可能性がある、という点です。ご自身は配偶者であれば、全ての財産を相続できると当初考えていたくらいですので、なかなか納得いただけませんでしたが、最終的にはご理解いただきました。常に『法的に最悪の想定』を正しくきちんとご説明することで、どういった展開になっても慌てず対応できるようにしておくことも、重要だと考えております。
加えて最後に、遺言書があれば、こういった苦労はしなくてもすんだこともご説明し、お客様ご自身の相続に備えての、遺言書作成のご提案もさせていただきました。
当事務所では、相続登記のみならず、その前段のお手伝いやご相談も承っております。お客様のニーズに応じた適切な手続きをご提案し、お客様ご自身の負担の軽減に努めます。
相続に関するご相談は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事の執筆者

- 司法書士佐伯啓輔事務所 代表司法書士 佐伯啓輔
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保有資格 司法書士、民事信託士 専門分野 相続、遺言、生前対策 経歴 司法書士佐伯啓輔事務所代表。 平成24年4月、新横浜に「司法書士佐伯啓輔事務所」を開業。親身で解りやすい解説に定評があり、大手ハウスメーカーや企業福利厚生部門、会計事務所でのセミナー・相談会実績多数。相続発生前の『争いの予防』、相続発生後の『心理的負担の軽減』を様々な角度から提案し、相談者からの信頼も厚い。
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